注意されるからやらない
みなさんはいままで、子どもに接していて、
「先生に注意されるよ」とか「怒られるからやらない」といった子どもの言葉を聞いたことはないでしょうか??
私は教員になった頃からずっと、これが気になっていました。
何かをする時にルールや前提のもとに動くのはわかりますが、それが、
怒られるから…というのは大分違和感があります。
この、「怒られるからやらない」ということは、逆に考えれば、怒られなければやるかもということともとらえることができると思います。
ある意味、考えてやっているとは思うのですが、自分の行動を決める時に、「それをしたらどうなってしまうか」「自分のためや周りのためになるのか」等と考えられる素地を持っていて欲しいと私は考えています。
小学生の段階で、多くの子があれこれ先のことを考え、自分の行動を律したり、選択したりというのは、違和感があります。
そういう状態に子どもたちをするというよりは、
いずれ、自分や周りのことを考えていけるように学校で経験を積んだり、体験をしていったりするということをして欲しいと個人的に思っています。
では、もしも、「先生に注意されるよ」や「怒られるからやらない」といった言葉を聞いた時に、具体的にどういったアプローチをするのが良いか自分なりに考えてみます。
「先生に怒られるよ」という注意を聞いた場合
注意を聞いた場合は、先生に怒られるからではなく、「~すると~になるよ」という言葉に言い換えるのはどうかという提案をするのが良いのではないかと思います。
おそらく、注意する子は、相手のため、もしくは自分や周りのためを思って注意する場合がほとんどだと思います。
ですから、「先生に注意される」という理由で、行動の変容を促すのではなく、その行動によって、何が起きるのかということに焦点化して話をしたほうが、相手にも周りのためにもなるのではないかということを伝えるのが良いと思います。
おそらく、そうしたアプローチの仕方を知らないが故に、「先生に注意されるよ」という言葉が出てくるのではないかと思います。
ですので、例を示しながら、どういう風に話すのがよいのかを考えてもらうように支援していくのが良いではないかと思います。
「注意されるからやらない」という言葉を聞いた時
この場合は、「注意されなかったらやるのかどうか」「その行動で、何がどうなるのか」等ということを対話しながら、考えてもらうように声をかけると良いのではないかと思います。
行動を律する理由が「怒られるから」というのは、ある意味でもったいないと私は思うのです。
結構「怒られるかもしれないからやらない」という理由で、創造的な活動や素直な行動をためらっている子を学期のはじめなどに、しばしば見かけたことがあります。
ですから、一度、その行動で、何がどうなるのかを落ち着いて考えれば、自信をもって行動を起こせるかもしれないと思うのです。
この「怒られるからやらない」というのは、意外と「子どもがステップアップする際」や「今までの経験上、そうしたマイナスな経験があった」という理由から発せられていることが多いように感じます。
ですので、しっかりとその子と対話をして、気持ちの面でも行動の面でも支援をしていくのが良いのではないかと思います。
状況に応じては、「注意しないからやったらいいよ」と話をして、思い切って、やらせてみるのも手かもしれません。
その行動を続けるとどうなるのかを感じられそうだ、その行動は安全ではあるが、その子のためにならなそうだと思えるようなことでしたら、思い切って、やらせてみても良いのではないかと思います。
やらせてみた後に、「やってみてどうだった?」等の気持ちを聞いて、行動を一度振り返り、次に生かせるようにその子と対話をしていくと、言葉だけで、支援をするより、効果的かもしれません。
最後に…
私たち教師は、子どもの可能性を広げたり、これから子どもたちが生きていくために大切になるであろう力を培ったりするために学校で支援を行います。
今回の事で言えば、「自分が行動したり、しようとしたりする際に、行動の結果を予想して、どうすべきか判断する」といった力を培うという側面があると思います。
先生が言ったから、怒られるからといった理由ではなく、予想される行動の結果を判断材料・振り返りの材料にするといったイメージです。
子どもは幼いころから、良しも悪しも、触れ合ってきた「大人」の考え方や立ち振る舞いに大きく影響を受けていると思います。
先生が結構注意したり、支配的な行動をしている場合は、もしかしたら今回のような言動が多くみられるかもしれません。
私たちは、子どもたちにどのような力を付けさせるために、どんな行動をしているのか、自分自身の行動を振り返ったり、周りからフィードバックをもらったりすることがとても大切ではないかと思いました。
今回もお読みいただきありがとうございました。